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夏の全国大会出場に初挑戦!貴重な一勝挙げた福島ユナイテッドFC U-18【アカデミーレポート】

福島ユナイテッドFC U-18は初の県外での公式戦に臨んだ。5月28日(土)、第29回東北クラブユース(U-18)サッカー選手権大会が開幕し、福島U-18はこの大会に初めて出場した。

この大会はクラブユースチームの夏の全国大会、第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の東北予選を兼ねている。ノックアウト方式で戦い、3位以上(決勝進出の2チームと3位決定戦勝利チーム)になれば7月24日(日)~8月4日(木)に群馬県で行われる予定の全国大会に出場できる。

ここ数年は、プリンスリーグ東北に参入しているベガルタ仙台ユース、モンテディオ山形ユース、ブラウブリッツ秋田U-18が東北代表3枠を埋める状況が続いている。宮城県の街クラブ塩釜FCユースや、いわきFC U-18があと一歩で出場まで迫ることはあったが、長年の出場実績を誇る上記の3チームに勝って出場枠を取るのは非常に難しい。ただ、ここ数年出場を重ねている秋田U-18も、全国大会に出場するまでには少し時間がかかった。全国大会出場に向けて諦めずにトライしていくことが必要だ。

試合前のミーティング

福島U-18は5月28日(土)、マイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場で行われた1回戦、いわてグルージャ盛岡ユースと対戦した。岩手ユースは既に何年も活動実績があり、1年生から3年生までが所属している。3年生は全国大会に出場するラストチャンスということもあり、モチベーションの高い対戦相手だ。1年生だけで戦う福島U-18がどれだけやれるか注目された。

福島ユナイテッドFC U-18の先発メンバー

登録メンバー全員。ケガ人も多い。

しかしふたを開けてみると、初挑戦で失うものの無い福島U-18がのびのびとしたプレーを見せる。試合の入りこそフィジカルで優る岩手ユースに押し込まれたが、前半10分、MF広瀬英斗(福島U-15出身、1年)のクロスボールをDFライン背後に抜け出して受けたのはFW佐々木健太(仙台FC ARDOREジュニアユース出身、1年)。「良いパスが(広瀬)英斗君から来たので、GKと1対1になったので、練習でも1対1はやっていて、落ち着いて決めるだけでした」と落ち着いてゴールを決めた。この試合の後に行われるため駆けつけていた出身クラブである仙台FC ARDOREのユース選手たちの前で活躍を見せることに成功した。

先制ゴールを決めたFW佐々木健太

佐々木健太の先制ゴールに喜ぶ選手たち

しかし岩手ユースも反撃に転じ、18分ペナルティエリア内での反則を取られて、PKを献上してしまった。岩手ユースのキッカーはMF小島瑞來。相対するGK齋藤駿輝(福島U-15出身、1年)は「蹴る前に相手の蹴る方向が見えた」と相手の蹴る方向をしっかりと読んでパンチングでPKストップ。大きなピンチを防ぐことに成功した。

PKストップしたGK齋藤駿輝

PKストップ、クリーンシート達成で勝利に貢献したGK齋藤駿輝

的確な守備対応に加え、攻撃参加も効果的だったDF齋藤碧

その後も岩手ユースの攻撃に対し、前半は耐える時間が長かったが、DF梅津暢(福島U-15出身、1年)、DF齋藤碧(福島U-15出身、1年)が落ち着いた対応を見せ、前半を1-0で終えた。

後半足が止まる状況も心配されたが、むしろ福島U-18は前半よりも攻撃のギアを上げ、相手に襲いかかるシーンが目立った。53分のDF伊藤大和(FCフォーリクラッセ仙台出身、1年)、64分のFW齋藤人和(福島U-15出身、1年)、72分のMF加藤琥心(福島U-15出身、1年)のシュートはいずれもゴールネットを揺らしたが、全てオフサイドの判定。それでも相手DFラインの背後を再三突くことに成功した。

MF加藤琥心は左サイドから多くの決定機を演出

MF広瀬英斗はアシストの場面だけでなく、左サイドや中央で決定機につながるパスを前線に供給

結果的には岩手ユースのシュート7本(前半2本、後半5本)に対し、福島U-18のシュートは9本(前半3本、後半6本)。相手以上に多くの決定機をつくって、1-0で見事勝利を飾った。

試合中厳しい目で戦況を見つめていた石堂和人監督

試合後は選手たちと勝利を喜び合った

家族やサポーターに一礼する選手たち

5月29日(日)同会場で行われた2回戦ベガルタ仙台ユース戦は0-6で敗れてしまい、全国大会出場はならなかった。実は仙台ユースは春先に福島U-18と練習試合をした際には1~2年生主体のチームだったとのことだが、今回はほぼベストメンバーで臨んでいた。プリンスリーグ東北で現在上位争いをしているチームの選手を相手に試合ができたことは非常に有意義だったと言えるだろう。

そして何より初出場、1年生だけのチームが全国大会の予選で一つ勝つことができたのは非常に意義のあること。今後のF3リーグにも大きな弾みとなる大会となったことだろう。

(有料公開部分では石堂和人監督、FW佐々木健太、GK齋藤駿輝の岩手ユース戦後のコメントをお送りする)

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