福島ユナマガ

東日本大震災から11年、福島から活力を発信する年に【2022.3.11に寄せて】

東日本大震災が発生し、11年を迎えた。福島県を大きな揺れが襲い、津波が襲い、そして数日後には福島第一原発の事故が起き、甚大な被害を受けてから11年。

未だに震災前の生活を取り戻せず、苦しむ人たちや、大切な人を失った悲しみが癒えない人たちもたくさんいる。

しかしそんな中、さまざまな人たちからの支援を受け、福島は少しずつ復興に向けて歩み始めている。

11年の間に、福島ユナイテッドFCは苦難を乗り越えJ3リーグ参入を果たし、今年はいわきFCもJ3リーグ参入。福島県に2つのJリーグクラブが誕生し、人々はサッカーで楽しい時を過ごせるようになった。先日の練習試合で両クラブは「サッカーの力を信じています」という言葉を公式Twitterに掲げ、両チームの選手が入り交じった形での集合写真を掲載した。

サッカーが被災で大きな被害を被った方々を直接救えることは無いかもしれない。しかし、サッカーを楽しんでもらうその時間だけでも、日々の苦しみや悲しみを忘れられることもあるだろうし、サッカーを肴にして周りの人と交流することで、楽しい気持ちになってもらうことはできるかもしれない。そして選手がひたむきにボールを追いかける姿に、生きる活力をもらうこともあるかもしれない。

両クラブがサッカーの力を信じて、全力のプレーを見せ続け、福島の地から活力を発信することはとても大事なことだ。大変なこともあるけれど、福島ってこんなに活気があるんだな、と思ってくれる人が一人でも増えれば、復興は前進していくことだろう。

私もサッカーの力を信じている。福島ユナイテッドFC、いわきFC両クラブにはサッカーを通じて、福島は元気だよ、というメッセージを全世界に発信してほしいと心より願っている。

今年も3月11日14時46分、地震発生の時刻を迎えた。被災され大きな被害を受けたみなさま、命を落とされたみなさま、そのご家族のみなさまには、改めて心からお悔やみ、お見舞い申し上げたい。また、被災地をご支援いただいたみなさまには熱く御礼申し上げたい。そして、大きな被害に遭われながらも少しずつ前へ進もうとするみなさまを今後も心より応援したい。

2022年3月11日 福島ユナマガ 小林健志

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