【福島】【無料記事】『グッズ売りの少女』はクラブの未来に火を灯す / フロントスタッフ・グッズ担当 西井玲美インタビュー(1)「敢えて地元から離れてチャレンジしたかった」
いよいよ、福島ユナイテッドFCはJ2を目指す戦いへ――。そこへ挑む気持ちはオフ・ザ・ピッチで業務に取り組むスタッフも同じだ。グッズ担当の“れみぱん”こと西井玲美もその一人。2020年入社、新卒3年目にしてクラブのマスコットガールになりつつある彼女は何者なのか。インタビューを三編でお届けする。なお、第1回のみ無料記事でお届けする。(取材・文:FURUBAYASHI SATOSHI、写真:小林健志)
――2021シーズンはどんな1年でしたか?
2020シーズンに比べてグッズのことがわかってきたので、毎試合新商品を出すなど計画的に販売できました。シーズンが始まる前に年間スケジュールを作るんですが、この季節には何を売ろうとか、セールをどうしようとか、そういったものをうまく調節できました。
1年目(2020シーズン)は本当に右も左もわからなくて、福島という地にも飛び込んできた来た感じでしたが、2年目は時間的にも気持ち的にも少し余裕ができましたね。
――出身は滋賀県と伺いました。Jリーグクラブの無い県ですが、サッカーと出会ったきっかけは?
サッカーはもともと好きで、幼稚園の頃とかは自分でもボールを蹴って遊んでいました。高校ではサッカー部のマネージャーをしていて、その業務に取り組むうちにJリーグのクラブで働きたいと思うようになりました。
大学もサッカー部のあるところに進学して、1年生のときから“学連”(関西学生サッカー連盟)という機関でも動くようになり、4年生のときには準幹事長を務めました。準幹事はアナウンスや受付業務など広報系を行う部署で、そこを束ねるリーダーの役割です。
――れみぱんさんは明るく気さくなイメージを持っているサポーターが多いと思いますが、リーダーシップもあるんですね。
Jリーグのクラブで働きたいという思いが強かったので、そこに対する熱意は譲れなかったです。
――福島ユナイテッドFCを就職先に選んだ理由は?また、他のクラブや進路も候補にありましたか?
他の進路もありました。ただ(新卒で)1年目になるので、せっかくなら集中したいというか……。ずっと滋賀にいたので、敢えて地元からは離れて、自分の力で一からチャレンジしたいという思いがあって福島を選びました。
福島は人が温かいですよね。新しい生活を始める時も他のクラブスタッフがたくさん助けてくれましたし、サポーターの方もホームゲームでもSNSでも自分に声をかけてくれて、とても温かいなと思いました。
――なぜグッズ担当になったんでしょう?学生時代に物販のアルバイトをしていたとか?
物販らしい物販はしたことがなかったですね。アルバイトは本屋さんでレジをやっていたのと、親戚が家業で美容室をやっていたので、そこでシャンプーとかしていました(笑)。
当初は学連の経験を活かして広報をやりたいと思っていたんです。管理や計算は苦手だったので、学生の頃はグッズ担当みたいなのが「一番やりたくないな」って思ってた仕事でした。でもグッズは販売したら金額に表れるじゃないですか。そういう意味でやりがいを持って取り組めるかなと。
――2年間取り組んでみてどうですか?
売れないグッズがあると、「あ、これは違ったか……」みたいに少しへこみますね(笑)。売れるとすごく嬉しいですし、作ってよかったなって。それと試合とかイベントでサポーターの方がグッズを付けてくれているのを見ると、とてもテンションが上がります。
(その2は1月12日掲載予定です)