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【福島】【無料記事】第30節讃岐戦プレビュー「時崎体制の集大成を見せる試合。攻守で主導権握り勝点3をつかみ取れ!」

過去最高順位となることが確定している今季の福島。みなさんはどの試合が印象深かっただろうか。選手の新型コロナウイルス感染による苦境からの破竹の4連勝、前半戦最終戦でのFWイスマイラ(現・J2京都)の惜別2ゴール、後半戦初戦アウェイ岐阜戦での4-0快勝など、さまざまなシーンが思い起こされるかもしれない。

時崎悠監督が挙げたのは「Jヴィレッジでの宮崎戦」だった。今季J3参入初年度ながら、球際勝負への圧倒的な強さを見せ優勝争いを繰り広げた宮崎に対し、「取って取られたけれども力業で行くことができた」と自チームだけでなく、相手チームも素晴らしいプレーを見せ、激しい試合になった中接戦をものにできたことを大きく評価していた。そして、前節の「YS横浜戦もそうだった」と語った。「ゲーム展開としてはどちらが勝ってもおかしくなかったですが、耐えなければいけない時間帯をしっかり耐えて体を張りましたし、それが最後の2点目につながって、理想的な勝利だったと思います」と良い守備から良い攻撃につなげて、勝利をものにできたことを評価していた。圧勝した試合よりも、お互いが力を出し切り、そして福島が勝ちきる。時崎監督はそうした試合が印象に深く刻まれていたようだ。

そんな時崎監督に今節の対戦相手讃岐の印象や、戦いのポイントを伺ったところ、意外な言葉が聞かれた。「前節のYS横浜も今節の讃岐も見ていない」。その理由は「この2試合、自分たちらしいサッカーをすることにフォーカスしています。今年やってきたことを思い返す1週間にしながら讃岐に向かいたいです」と、今季積み上げてきたスタイルにもう一度立ち返り、今季のチームの集大成を見せようとしている。今季9得点の樋口寛規も「内容と結果の伴った試合をしたい」と語る。攻守で自分たちがやりたいサッカーをやり切った上で勝利をもぎ取りたい。

対戦相手の讃岐は、前節14位の鳥取に逆転負けを喫し、最下位が確定という状況で最終節のアウェイ戦に乗り込んでくる。それでも最後でサポーターに良い試合を見せたいと意気込んで試合に臨んでくるはずだ。J2山形から育成型期限付き移籍中のFW中村駿太や、元FC東京で前節相手のオウンゴールを呼び込んだアタッカーMF佐々木渉、身体能力の高いFW栗田マークアジェイなど能力の高い選手は多い。この試合が讃岐での最後の指揮となるゼムノヴィッチ監督は手堅い守備からカウンター攻撃を狙ってくる。そこはしっかりケアする必要があるだろう。

決して簡単な試合にはならない。それでもこれまで積み上げてきたことを全て出し、全力プレーで勝利する。時崎監督が試合後会心の試合と振り返ることができるような素晴らしい締めくくりになることを期待したい。そして、この試合を最後にGK服部一輝、MF青山景昌、そして11年間在籍のDF岡田亮太がチームを離れることが決まり、DF宇佐美宏和は現役を引退する。彼らと共に勝点3を積み上げ、笑顔で過去最高順位のシーズンを締めくくろう。

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