【無料公開】【フォトレポート】ドイツ人フィジカルコーチがブラウブリッツ秋田U-18を指導
ドイツ人のフィジカルコーチのマルコ・ヘンリックスさんが12月5日、ブラウブリッツ秋田U-18を対象にトレーニング指導を実施。その模様を取材しました。
マルコさんのプロフィールなどについてはブラウブリッツ秋田の公式サイトをご参照ください。
ブラウブリッツ秋田のスポンサーの「にこにこKARADA整骨院グループ(菅原照太代表)」が、マルコさんを秋田に招いて実現した今回の指導。会場の秋田県立公園は12月初旬の冷たい雨が降り、時おり雨足が強くなるあいにくの天気。それでもマルコさんの指導に従い、選手たちは約100分間みっちりトレーニングに取り組みました。
体幹を強化するメニューを中心に積み重ねていくなかで、選手たちは多少なりとも疲労の色が濃くなってきます。そのなかで目を引いたのは、全体の雰囲気がゆるまずに最後までやり切った姿です。言葉は通訳をとおしたものだとしても、マルコさんの熱意を選手たちは感じ取ったのでしょう。指導が終わって円陣が解けたあと、数人の選手がマルコさんに歩み寄ってハイタッチをするシーンがあり、短時間ながら心が通い合ったことがうかがえます。
来季のトップチームの昇格が内定しているGK堀内智葵選手は「日本と違ったさまざまなトレーニングがあったなかで、自分たちに足りないものが明確になった。(マルコさんが)最後言ってくれたように、ドイツ人とまだ差があると肌で感じた。来年自分がプロになっていく上で、同い年にはもちろん勝たないといけないし、そこから年齢は関係なくなる。自分の実力、アジリティをもっと鍛えないけない」と話していました。
取材の最後に、堀内選手と菅原代表がインタビューに協力してくれました。
●堀内智葵選手
–シャトルランの際に、GKチームだけ短めの距離でやっていました。
GKは短い距離で爆発力を出すトレーニングで、フィールドプレーヤーと別れてやっていました。
–これまで海外の方のコーチングを受けた経験はありますか。
自分はなくて、これが初めてでした。これを海外は当たりまえにやっていると考えると、少し日本と差を感じるなと思いました。
–言葉は通じなくとも熱意を感じる指導だったのではないでしょうか。
そうですね。通訳さんはいましたけど、(マルコさんが)なんて言っているかはわかりません。でも迫力ある声だったりで練習の雰囲気が厳しくなったんで、そういうのは伝わってきました。
–来季のトップチーム昇格が決まりました。おめでとうございます。
ほんとうにありがとうございます。
–この1年はどのように振り返りますか。
まず高校2年生の頃から少しずつトップチームの練習に参加させてもらって、トップのスピード感を肌で感じて、チームに馴染めたのもあります。そのなかで(山田)元気くん、(猪瀬)康介くん、(矢田貝)壮貴くんとの差はまだまだあるなと感じました。
自分はユースの試合で結果を残すことだけをベースに、自分個人だけじゃなく、チームの勝利に貢献することを意識してこの1年やってきました。来年はプロ1年目だとか関係なく、自分が試合に出て、秋田の勝利に貢献できるように、キャンプからアピールしていきたいなと思います。この1年間で得たものを、来年から存分に発揮したいなと思います。
●菅原照太代表
–2日間の指導が終えて、どんなことを感じていますか。
ドイツの子どもたち、育成年代がやっているトレーニングとまったく同じものを、秋田県のサッカー選手たちが経験しました。ひとついい経験になったのかなと思います。
–海外の方から指導を受けるのが初めてという選手もいました。その意味でもいい経験になったでしょうか。
そうですね。海外の言葉に触れたり、ふだん自分たちが目にしたりしないものに触れるのは、子どもたちの将来を見据えたときにも、ぜんぜん違うのかなと思います。
–トレーニングの強度が高くなっていくなかで、選手たちの様子をどのように見ていましたか。
一般的に、後半になって疲れてくると、姿勢が崩れてきたり走る姿勢が崩れてくることがよくあります。今回のトレーニングだと、だんだん無駄なものが削られてきて、姿勢がよくなってきてる感じが見ていてありました。
–コーチに導かれているというのもあるでしょうか。
そうだと思います。管理の方法や導き方もテクニックのひとつであるのかなと思います。
–マルコさんとのつながりや、今回のトレーニングが実現した経緯について。
わたしは整骨院で仕事をしているなかで、2023年にドイツに治療院を設立しました。そこでドイツにいるときに、今回のフィジカルトレーナーのマルコという人を紹介していただきました。マルコが日本に来る用事があるということで、最初は関西のほうでメインの仕事があるということだったんですけど、せっかくなんで秋田の子にもそういう経験をしてほしいなと思い、スケジュールに入れてもらって、秋田に来てもらいました。
–そうしたご縁があったのですね。
はい。そのドイツのお店も、マッサージや、現地のドイツのサッカーチームにもスタッフがトレーナーで行ってトレーニングを担当することもやっています。そういう意味で、いい方を紹介していただいたなと思っています。
–12月4日には県内の指導者の方も参加したそうですね。
日頃、指導者の方たちはやっぱり忙しいので、一堂に集まって話をしたりとか意見交換をしたりするのがなかなかないというところで、こういう機会があれば、みんな集まっていろいろ情報共有できてよかったということは言ってもらいました。
–今回のトレーニングのテーマについて。
1日では伝え切れないということが前提にあったと思います。そのなかでも、ほんとうに必要なこと。ベースになるものというんでしょうか。これだけはぜったいに必要になるよというものを、少しでも伝えられればいいのかなと、マルコ自身が言っていました。