【無料公開】シンポジウム「秋田の未来に必要なスタジアムとは? 〜北米スタジアム視察と日本におけるスタジアムの現状〜」議事録
岩瀬社長:北米の話ちょっとお話が出ましたけれども。われわれスタジアムに出向いたときにすごく嬉しかったのは、そのスタジオ建設に投資したオーナーの方々がお話いただいたんですね。そのときにおっしゃっていたのは、「実際にスタジアム収支ってどうなんですか?」っていうところに苦笑いみたいな感じでしてですね。「なかなか難しい。でも何とかトントンにしたいと思う。ただ、われわれはそれだけではなく街全体を考えている」というお話をしてました。その時も目の前に商業施設がありました。そして目の前にはマンションがございました。なので、言ってらっしゃったのは「スタジアムがなければこのマンションだけ建てたって何の意味も何の価値もないんだ」というような形であったり。商業施設も同じように。やはりスタジアムがあることですべての歯車が回り出すんだっていうことをお話してました。
秋田も観光で言ってもなかなか県内全域点在しているなと思いますが、それぞれの歯車って本当に魅力のあるものがたくさんあると思います。それぞれで回っていたり回っていなかったりする時期もあろうかと思いますけれども。スタジアムがあることですべての歯車が回り出す。一気に回り出すっていうようなこともあるのかなと思っております。
先ほどエリアマネジメントと土屋さんからありましたけれども、八橋ってめちゃくちゃアクセス的には最高なエリアかなと思いますけれども。皆さまから見て八橋運動公園のあの立地ってどうなんですかね。永廣さん、いかがですか。
永廣さん:基本的には非常にまちづくりの観点から言うと非常に好立地だと思っておりまして。あそこは市役所があったり官庁街があったりして、その核が今度のスタジアムができればまた新たな町が見えてくると思うんです。駅からも当然歩いても行けるような距離ですし。タクシー、車で行くと10分ちょっとですので。非常に街中のスタジアムとしては好立地だと思ってるのと、あの公園自体が非常に可能性があるんですね。その可能性を生かすためにも将来的にはその展望をこのスタジアムを核として、いろいろ市民の皆さんで考えていけるんじゃないかという好立地だと思ってます。
岩瀬社長:永廣さん、北米スタジアムの視察についてお願いします。
永廣さん:簡単にご説明させてもらいますけども。このような拠点を岩瀬社長、土屋さんも一緒にハードスケジュールで回ってきたんですけれども。やはり基本的にはヨーロッパのスタジアムよりアメリカのMLSのスタジアムの方が日本には合ってるなと、基本的に再確認をしておりまして。
どういったポイントが合ってるかっていうと、ポイントだけ書かさせていただいたんですけども。街に開かれてる。これがヨーロッパのスタジアムって格式もあるので割と閉塞感があるんですけども。非常に外から見せるっていうのがうまくて非常に入りやすくて日常的なつながりもできてるというのが1点。
それとこれはスポーツビジネス上の収益上も大事なところがありまして。大きな余白の空間が非常に作ってあります。これは無駄な空間ではなくて、この空間を生かして将来転換する。先ほど言った更新性も含めていろんなビジネスチャンスをここで生み出していくっていうのを非常に。建設費多少かかりますけれども将来の自由度を考えるとこういった空間が必要かと。岩瀬さん、何かありましたら途中で挟んでください。
岩瀬社長:よろしいですか。ジオディスパークは真ん中のコンコースが幅を広く取られておりまして、私どもも秋田のスタジアムで考えてるのはインナーコンコースなんですね。この12月から2月、3月までにおじいちゃんおばあちゃんたちが冬の間でも歩いてちゃんと健康促進ができるよう、秋大の医学部の大学の教授が言ってました。この3ヶ月間の高齢者の健康被害たるものはものすごいんだということをお話していましたので。ある意味、社会課題といった部分も解決できるスタジアムにできればと思ってます。
永廣さん:インナーコンコースってこんなイメージで、基本的にコンコース上に開閉できる窓をつけまして。開けたり閉めたり季節によって変えていけるというようなコンコースのあり方っていうのは寒冷地にあるのかなっていうのと。もうひとつ面白かったのはこの掘り込まれたピッチが非常に多くて。盛り土対策で、コンコースを一層分上げながらも掘り込まれたような形に作るのか、地下として一層掘り込んで作るのか。
これは要はスタジアムにアクセスするルートから直接コンコースに行けるもんですから。非常に解放感も出るし、非常にアクセスしやすいイメージもあるわけです。それともうひとつなんといっても寒さ対策として、そこに風が直接入れないということもありまして。これ私たちも地元を見ながら、これはありだなみたいな話はありましたね。
岩瀬社長:はい。そうですね。なかなか皆さんイメージつきづらいと思うんですけど。町のフラットレベルからそのまままっすぐコンコースなんですね。1階が下になっているので1階にも行きやすい。そして2階にもアクセスしやすいっていう状況で、風がまっすぐ吹きますので、1階部分に風がほとんど入らないような状況になっているので。この寒さ対策と、その分高さが、スタジアムの高さが低くなりますので、街からするとそんなに威圧感がなく、開けた空間の中でフラットな形で入っていけるっていうのが、アメリカのスタジアムすべてに取り入れられていたものだったなと思っております。
永廣さん:その空間がやはりコンコースがフラットに入れることによって、通常ボールパーク、アメリカの野球場ですね。ながら観戦と言ってるんですけども。試合は見てる人も見てない人もいたりして、飲んでるだけで、ワイワイ交流しているとかいうことも基本的にはできるようなスタイルがアメリカのサッカースタジアムも多くてですね。こういったバーカウンターとかも含めてかなり充実した形でコンコースに広がっていまして。もしかして試合のない日はこういったコンコースが自由に色々使えるんじゃないかなっていうのを感じました。
岩瀬社長:本当にアメリカの視察を経て、秋田で活かせるなっていうこと、こういった諸々もたくさん感じることができた次第でございますので。小出しに皆さまにはこれ以外のものもご報告できればなと思っております。
最後に私の方から一言申し上げたいと思います。秋田の新しいランドマークとなるスタジアムが、未来に向けてどれだけの可能性が秘めているかといったものがきょう明らかになったかなと思います。これ、われわれだけの力ではどうにもなりません。そしてもう過去からするとかなりの年数がいま経っています。待ったなしで地域課題、社会課題がどんどん押し寄せている中で、やはり打ち手をしっかり打つということは大事なことなのかなと思いますので。御三方にはぜひ引き続きアドバイスをいただきながら、なんとか秋田のスタジアムを実現できればなと思っておりますので皆さまどうかよろしくお願いいたします。本日はパネリストの皆さま本当にありがとうございました。