秋田サッカーレポート

【無料公開】秋田県知事と秋田市長への表敬訪問を終え、Jリーグの野々村芳和チェアマンの囲み取材コメント「クラブの地域での頑張りも含めて、前向きに話が進んできている印象を受けた」

 

Jリーグの野々村芳和チェアマンが9月10日、秋田県を訪れ、佐竹知事と秋田市の穂積市長を表敬訪問しました。主な内容は、シーズン移行に伴う降雪地域への支援と、スタジアム基準の緩和の2項目ですが、懸案の新スタジアムに関する話題もあったことがうかがえます。出席者は以下のとおり。

Jリーグ野々村芳和チェアマン
Jリーグ執⾏役員 勝澤健氏
Jリーグクラブサポート本部⻑ ⿊⽥卓志氏
Jリーグクラブサポート部 岡本⿓平氏
Jリーグクラブライセンス事務局 クラブライセンスマネージャー ⼤城亨太氏
ブラウブリッツ秋⽥ 岩瀬浩介社長

県庁と市役所での会合は冒頭のみ撮影可能で、内容は非公開。それぞれの会合の後で、野々村チェアマンが囲み取材に応じてくれました。

 

佐竹知事との会合を終えて
–知事と話した内容と結果について。

どんな結果が出たか、全部話していいとも思えないんで、話しますけど、まず2年前に知事とお会いして、この2年間でJリーグが変わったこと、クラブが成長したことというような話から、もっと成長していくためには、この街のなかにクラブがあることの意義も含めて、たとえばスタジアムに関しても、行政、県と市、それからクラブ、みんなで協力して進んでいきましょうと。

この2年間すごくいろんな話を地域でされながら、前に進んできているというような話もうかがうことができたので、ここから先、僕はすごく楽しみだなと思いました。

 

–知事からスタジムに関して注文があったでしょうか。

いやいや、それはとくにないですよ。さっきこの2年間の話をしましたけど、2年前に来たときのクラブライセンスのスタジアム基準がいまと変わっているし、たぶん2年前も知事とお話したんですけど、僕はその地域に合ったサイズをその地域で考えて、どう作っていくか、盛り上げていくかということをやるべきだと当時から思っていました。

この間にスタジアムの基準みたいなものが少し変化したりしているので、その点に関しては、なにかむしろ、そういう変化があったことを(知事に)ありがたく思っていただいているようなところはあったかもしれないですね。

 

–スタジアムの建設に税金が使われることが念頭にあることから、知事は以前、Jリーグが「上から目線」だと言っていました。そういった知事の厳しい指摘はどのように受け止めますか。

いやいや、2年前もきょうも、まったくそんな感じでお話をされたことはないので、ちょっとよくわからないなという。

この地域だけじゃないですけど、スタジアムは簡単にポンポンと行くエリアもありますけど、なかなかそうならないものなので。「ちょっと長く時間が掛かりました」というようなことを、むしろ知事がお話をしてくれるような感じでした。

 

–この2年間の進捗と手ごたえについて。

それこそ2年前に知事をお話をしたときよりは、はるかに前に前進しているなと率直に感じました。

 

–ブラウブリッツ秋田の成長具合について。

クラブとして、この数年見ても着実に売り上げも伸びてます。お客さんの数も、コロナ禍があって、みんなどのクラブも大変でしたけど、たとえば去年比でも125%伸びてるんですよね。これってJ2のなかでは上から2番目とかの数字なので、すごくよかった。うまくやれているのかなと。

これも2年前からですけど、メディアの皆さんにもいろんなご協力をいただいて、クラブの露出とかサッカーの露出を地域で伸ばしていこうという投資も僕らがしているんですけど、全国でも露出の量って、秋田県は5番目だと思うんですよね。

それだけ多くの皆さんにも仲間になっていただいて、情報をいろいろな方に届けることができているので、すごく上に向かって伸びていってるな、急速に伸びていく可能性があるなと思ってます。

 

–スタジアムも含めてJリーグがある意味について、どのように県民に声掛けをしたいでしょうか。

サッカーの楽しみ方ってすごくたくさんあると思います。

スタジアムに行って、そのスタジアムがどんなスペックかで、楽しみ方、面白さの感じ方もぜんぜん変わってくると思うんですね。あとは試合だけではなくまわりも含めて、週末に秋田の人たちがそこに集まって何か楽しめる輪がもっと広がることを実現するのがJリーグのいいところだと思います。

その他の地域課題も含めて、ブラウブリッツさんもいろんな課題に取り組んでらっしゃると思うので、そこはJリーグとしてもいろんなサポートを、人的にも金銭的にもできるような体制をしっかりとっていきたいなと思ってます。

 

穂積市長との会合を終えて
–穂積市長との話の内容について。

スタジアム。何年か前に市長として約束したものは必ず実現するんだっていうようなことはおっしゃっていて、さっきも(県庁で)話しましたけど、クラブの地域での頑張りも含めていい方向に、前向きに話が進んできているのかなという印象は、市長と話しても受けました。

 

–建設地は八橋で話しが進みそうです。チェアマンはどのように受け止めていますか。

地域の皆さんでこれからその答えを出すことなのかもしれないですけど、そこまで話が進んでいるっていうのは、誰か1人が考えて動いているわけでもないと思います。みんなで考えてそうなっているのは、すごくいいなと思います。

市長にも、先ほど知事にも伺いましたけど、場所的にもすごくいい。駅からの距離とか、地域の経済のことを考えてもいいんじゃないかというようなお話でした。

知事とも一緒に見て、市長には「その場所に行って見てみよう」と言われたので一緒に見ました。そこにスタジアムができるとするなら、すごくいい景色になるんだろうなと思いながら見ていました。

 

–率直に、早く作ってくれと思いますか。

いやいや。いろんなルールというか。Jリーグの場合60クラブで、世界のなかのサッカーのルールみなたいなものも当然あります。リミットはあるとは思いますけど。

繰り返しになっちゃいますけど、その地域の皆さんで、そのクラブと必要なものってなんなんだろう、本当にこれ必要なのかどうかみたいな話をしていくことkが、結果はどうあれ地域のためになると思います。そこに関してのスピード感は、そのルールのなかであれば、なんら問題はないのかなと思います。

 

–八橋は6年前に候補地として挙がり、そこから別の候補地になり、戻ってきた経緯があります。その迷走について。

地元の当事者の人たちにとっては「どうなってんだろう」という思いはあったのかもしれないですけど、サッカーは地元のクラブも含めて、中長期でどう成長していくかみたいなところが最も大事なことだと思うんですよね。

「1回こっちでになりそうだったものがそうじゃなくなった」みたいなことっていうのも、地域の皆さんでの議論があって、きっと変わってきたものだと思うので。あるべき姿かなとも思ったりもします。

 

–スタジアムを公設する話も出てきています。それは妥当だと思われますか。

がいいとか妥当だとかっていうのはまったく僕としての意見はなくて。繰り返しになっちゃいます。地域にとって必要なのか、何が必要なのか、地域によって、課題も含めて地域差があるので。それぞれの地域で、ある程度の人たちで考えて動かしていくっていうのがいいんじゃないかなとは思ってます。

 

–市長が「チェアマンに自分の思いを直接伝えたい」と話していました。市長との話のなかで印象に残った言葉はありあましたか。

ちょうど2年前くらいに秋田に来てお話をしたときも、サッカーとかスポーツ、スタジアムっていうものに対しての思いみたいなものはすごく強く受けていて。そこからいろいろあっていまになるんでしょうけど。「約束したものはやるんだ」みたいな雰囲気というか言葉は印象に残っています。

 

–その言葉をチェアマンはどのように受け止めましたか。

僕らとしても「何をしなさい」って言っていることもないので。サッカー界とかクラブにとって、それから地域の人にとっても、皆さんで考えたスタジアムがもし前に進むんであれば、その結果、地域の皆さんで喜ぶ人とか、楽しめる場所が増えると思うので。そうなったらいいなと思ってます。

「どうやって進めていくのか」と、ここまですごくいろんな話をしながら前に進んできたと思うので。いままでもそうですけど、「ここからはリーグとしてもいろんなサポートはできると思います」というお話は市長にもさせていただきました。

リーグとしてはスタジアムをというよりは、秋田市、秋田県全体のスポーツ環境を、とくに降雪エリアのスポーツ環境をどうよくしていくかというようなところにこの先投資をしていくことはリーグでも決めていることなので。もし一緒にできることがあればやっていきましょうという話をさせていただきました。

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