【無料公開】令和6年度第2回新スタジアム整備協議会を踏まえたブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介社長コメント
令和6年度第2回新スタジアム整備協議会が6月26日、秋田市のソユースタジアムの会議室で開かれました。出席者は秋田県スポーツ振興課、秋田市まちづくり戦略室、秋田市スポーツ振興課、イオンタウン、ブラウブリッツ秋田。内容は非公開。
メディアが撮影のために入室を許された際の冒頭の挨拶で、ブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介社長は、「ライセンスの申請もある。新スタジアムの必要性をしっかり進めていきたい」と話しました。
約1時間の協議会後、岩瀬社長が囲み取材に応じてくれました。
–協議会で話し合った内容について。
報道などで皆さんご存知のとおり、秋田市の総務委員会で、八橋を候補地のひとつとして検討をしてもいいかということを、正式にクラブそして秋田県に秋田市から提案いただいたのがメインです。
その理由は、まずは大前提でJリーグクラブライセンス事務局から指摘をいただいているスケジュール。市場整備後の余剰地のスケジュール短縮が、すでに9ヶ月間の短縮をされているなかで、これ以上は難しい。
もうひとつはJリーグのスタジアムのルール緩和。理想のスタジアムの要件を満たせば、5000人以上であれば可能とするということを踏まえて、八橋を候補地のひとつとして改めて検討してもいいかという話がありました。
クラブとしては、それを受けて、スケジュールが1年でも2年でも早まる可能性があるのであれば、それはありがたい話だと思っています。
–秋田市からどれだけ早まるかについて提示はありましたか。
特にそこまで踏み込んだ話ではなく、まずは検討をしていきますけれどもと、正式に県とクラブに依頼をいただいた状況です。
–外旭川は候補地から外れたのでしょうか。
いや、そこも含めてですね。そこはそこで、いままでの計画として、2030年着工という形でひとつ置いておきながら、ほかでもっと短縮できる場所を探すことを検討していこうということです。
–八橋の案が出たことについて。以前は八橋を支持されていましたが、あらためて社長ご自身の意向は。
当時、そうした見解、方針、方向性は委員の1人として(岩瀬社長自身が)話をさせていただいてます。
いまクラブという立場ではなかなか、何度も申し上げますけれども、クラブ自体がまちづくりを語る立場でもないかなと正直思っています。「こっちがいい、あっちがいい」ではなく。
クラブとしては先日の試合のとおり、あれだけ多くのお客さんに来ていただいて、さまざまな効果を示すことが、ことしもまたできたのかなと思ってます。どこであっても、この町にとってよりよいものはできるんじゃないかな思ってますので、場所は控えさせていただきます。
–秋田県やイオンタウンの反応について。
秋田県さんはそれを受け止め、まずは一旦お持ち帰りしていただくという話がありました。
イオンタウンさんはイオンタウンさんで、もしも、外旭川のまちづくりから、たとえばスタジアムがなくなるという話になっても、ぜひ今後も協力をしてほしいという話もありました。
–外旭川以外の場所でもスタジアムにイオンタウンが関わるということでしょうか。
いや、そうではないんじゃないですかね。クラブに対して、これまで一緒にやってきたのでと。クラブとしては拒む話でもないです。われわれとしては、地域にあるべき姿をしっかりと示していくなかで、この町のためだったらなんでも協力はしていきます。
–新スタジアムの運営の赤字圧縮の話があり、秋田県と秋田市にボールを投げられていた状況だったと思います。その進展について。
特にあっちにボールを投げられていたという認識は僕はないんですけど、クラブとしては全国さまざまなスタジアム、施設、行政施設も含めて現状をうかがいました。たとえば、この八橋陸上競技場はそもそも維持管理がいくら掛かってるのかも含めて参考にさせていただきながら、圧縮に向けて改善を図っていくという話をしました。
–6月末のライセンス申請は外旭川でするのでしょうか。
そこが軸になります。そのなかで、きょうの議論でこういった依頼を正式にいただいたという進捗は随時お伝えしていきます。
ライセンスについては毎年記者会見を行ってきましたけれども、ことしはこのぶら下がりで対応させていただきたく思っています。
ライセンスは6月末に全部ドンと出して「はい終わり」ではなく、求められている書類に関しては、逐一出していっている状況です。なので財務基準、法務基準、組織基準、競技基準、施設基準それぞれの書類などを含めて出しています。
施設基準に関してはスタジアムになります。この施設に関しては、われわれだけが唯一制裁を2つ受けていて、その改善案が、2018年のライセンス申請で出したときから話している新スタジアムになります。その新スタジアムに関しては、先ほど申し上げたように、外旭川の計画を軸としながらも、今回こういった話をいただきましたという状況をご報告します。
その上で、6月末で終わる話ではないと僕は思ってます。僕はというか、Jリーグもそう思ってます。9月末の結果が出るまで、進捗状況を逐一話をさせていただきながら、なんというんでしょう、誠意というか、懸命に伝えていきたいなと思います。
–Jリーグの指摘は変わらず厳しいのでしょうか。
はい。もしかしたらJリーグの60チーム中一番厳しい状況ではないかなと思います。
–社長としては1年でも2年でも早くスタジアムが建てば外旭川でもほかの候補地でもいいということでしょうか。
僕が「1年でも早く建てられればどっちでもいいんだ」なんていうと、まるで自分たちがよければいいみたいな話に聞こえるのではないでしょうか。
そうではなくて、いま秋田県が抱えているさまざまな地域課題(の解決)や地域活性に、スタジアムを含めたJリーグのスポーツコンテンツは間違いなく寄与できるものだなと確信を持っております。そういった意味では、1年でも早くこの秋田のために(新スタジアムを)作ることがわれわれの使命でもあるかなと思ってます。
–八橋が候補地として議題に上がったことを報告するのでしょうか。
そうですね。
–八橋が上がったことで、Jリーグに対して、現状よりもスケジュール短縮の可能性が出ていると報告するのでしょうか。
それを検討していくところなんじゃないですか。もしかしたら、蓋を開けてみたら、(外旭川と)同じということもゼロではないんじゃないかなと思います。ただその可能性を探るという意味でも、今回ルールが緩和されたことも含めて検討していこうという話です。
–現状は外旭川と八橋の2択ではなく、八橋という選択肢が出てきた段階でしょうか。
そうですね。
–八橋という選択肢が出てきて、危機感は弱まったでしょうか。以前と変わらずに強い危機感を抱いているでしょうか。
変わってないです。
–八橋での実現性も含めて検討していくのでしょうか。
はい。
–穂積市長は「スタジアムを作らなければ死んでも死にきれない」と発言しました。社長も同じ思いでしょうか。
年齢が違うので。僕のほうが長いかなと思うところがありますけど。
あえて言うなれば、私は私でこのクラブの代表として、いまやらせていただいているなかで、やっぱりリーダーって結果だと思います。僕はいつでも、自分じゃなかったらもっと早くできていたのかなとか、本当にいろんなことを考えます。できなければできなかったで、自分自身が責任をしっかりと考えなければいけないと思います。
–条件が緩和されての5000人以上はあくまでJ2ライセンスだと思いますが、チームの目標とそぐわないのではないでしょうか。
J2ではないです。要件を満たして、あとは地域の人口規模やクラブ側の今後の計画、将来設計も含めて要件を満たしていれば5000人以上でJ1ライセンスも取れる。あとは拡張性もそこに入っています。
–秋田市から提案に対して、外旭川意外の場所で考えましょうという結論で合意に至らなかったのでしょうか。
至らないじゃないですよね。至っても至ってなくもない状況です。提案があって、まずいったん受け止めますと。
たとえばですけど、自分が18歳未満の子どもだったとして、1,000万円の車が僕に投げかけられたんだけど買うって言っちゃったらお父さんお母さんに怒られると思います。いったん持ち帰って、確認をいただいている状況です。
–三者の意見の確認について。
「6月末がライセンス申請になるので、できるだけ早く進捗をリーグには説明したい。なるべく早い回答をいただければ」ということを、クラブから話をさせていただきました。
–外旭川以外の場所になった場合の建設費の資金繰りについて。
現段階ではそこまで至ってないです。場所が決まらなければ機能的なものも変わると思います。法的な規制も出てくると思いますので、八橋については、そのフェーズに至ってないんじゃないですかね。
–スタジアム建設で整備会社を設立して30億円を負担する前提だと思います。資金繰りのメドについて。
計画が立てられないなかで、メドも立たないと思います。商品ができてないのに買ってくださいというのもおかしいと思います。以前御社で、たしか「資金メド立たず」という記事があったと思います。あの書き方にもちょっと僕は違和感を持っています。
どこに建つかもわからない、報道からはこの計画が本当に進んでいくのかいかないのか、疑問視するような声がいろいろと出ているなかで、投資家の心理からすれば、協力する側の心理からすれば、その協力の確約は取れないかなと思います。そのフェーズには入ってないと思います。
–資金集めでブラウブリッツ秋田のスポンサーなどを回っている状況でしょうか。
回れない状況です。その後の高騰もあって、まだはっきりしていないので。なにをもってお金をください、支援してくださいと言えばいいのかという状況です。
「スタジアムできる”と思う”んでいくら出せますか」と言ってお金をいただけるほど、社会は甘くないと思います。
ここ(新スタジアムができる場所)で、こういうコンセプトで、こうやってやりたいんです。この町のために、こういうふうに寄与できるから、なんとかご支援をいただきたい。御社にとってもこういうメリットがあるから、これくらいのご支援をいただきたい。という話になっていくのかなと思います。だからそのフェーズに入ってないと思います。
–協議会で公設の提案はあったでしょうか。
ないですね。現段階でそのフェーズじゃないかなと思ってます。
–メドとして、いつ頃までに検討するという話はあったでしょうか。
特にないです。次の協議会の話でしたら、来月。
–次はだいたい1ヶ月後くらいでしょうか。
はい。だいたい1ヶ月くらいのスパンで。
–八橋で検討するにあたって、2018年頃からの新スタジアム整備構想策定協議会での議論も参考になるでしょうか。
そこの答えに適しているかわからないですけど、きょう秋田県さんから「これまでの約10年、さまざまな議論があったなかで、積み重ねた議論と同じようなものにならないようにしていきましょう」というような、みんなで一緒に前に進んでいきましょうというような話がありました。
もちろんこれまで議論したことは無駄じゃないかなと思ってます。それはそれで参考になる調査もたくさんあると思うんで、それも踏まえて、検討をしていけばいいんじゃないかなと思ってます。
–ライセンス申請は今週末でしょうか。
そうですね。まだ僕らが出せていない資料などもありますので、きょうの協議会の状況も踏まえて、あすの皆さんの報道状況なども踏まえて、資料として提出させていただきます。
–去年までのような会見は開かないでしょうか。
今年はやらずに。ここ(ぶら下がり取材)で。
リリースは出します。ただこれ以上もこれ以下もないというあっさりしたものになると思います。
–ライセンス申請から9月までヒアリングが続く形でしょうか。
そうですね。さまざまなヒアリングなども踏まえて9月末の結果を待つ形になります。クラブとしては提出したから終わりではなく、ここからの進捗も大きなポイントになるかなと思ってます。先ほどお話ししたように、逐一、懸命にやっていく限りです。
–昨年はJリーグ側から秋田県と秋田市に意向表明書を求められました。ことしについて。
いまのところは意向書を出してくださいという話はないです。
一方では、われわれが制裁ではないですけど、条件付きで出ていたように、随時ヒアリングはあるのかなと思います。来月、財務的な部分のヒアリングでJリーグ(の担当者)が(秋田に)来ます。それとは別に、きっと怒られるんだろうなと思ってます。その頻度も、ほかのクラブよりはもしかしたら多い可能性もあるのかなと認識しています。
–秋田県と秋田市が同席してのオンラインでのヒアリングも行われるでしょうか。
あるでしょうね。
–来季のホームスタジアムはソユースタジアムで申請して、新スタジアムは外旭川で考えて、八橋もひとつの案として提案があったことを報告するのでしょうか。
このスタジアムで出しながらも、制裁を受けている。その改善策として、以前から出した新スタジアムの進捗を出していく状況です。
–秋田市の提案を受けて、秋田県とブラウブリッツ秋田は持ち帰ると。
僕が持ち帰っても「お父さん」がいるわけじゃないので。わかりましたと受け入れていきます。