秋田サッカーレポート

【無料公開】第7回新スタジアム整備協議会を踏まえたブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介社長コメント

 

第7回新スタジアム整備協議会およびJリーグクラブライセンス事務局への新スタジアム整備計画の報告・意⾒交換が2月22日、秋田市のASPスタジアムの会議室で開かれました。

2つの会合は非公開で行われ、その後、ブラウブリッツ秋田の岩瀬浩介代表が囲み取材の場を設けてくれました。

 

●2つの会合の内容について

お手元の資料をご確認いただいたかなと思うんですけども、まずきょう午前中の協議会で、秋田県さま、秋田市さまと確認し、一定の方向性、こちらのものをベースにという形で、まずは対外的にも方針を示していこうという形で合意といいますか、方針が決まったかなというところです。

ポイントを申し上げますと、これまでスタジアムとなりますと、どうしてもサッカー専用であったり、Jリーグ専用であったり、知事のご発言をお聞きすると、公共性に資すると言ったのとはちょっとかけ離れるというようなお話がありました。ですけれども(資料に)記載させていただいたように「サステナブルフィールド秋田」という形で、秋田県民に対して365日開かれたスタジアムであること。県民が地域の魅力を実感できるスタジアムであること。そして県民で育て続けるスタジアムであること。

フィールド部分で言えば50日のJリーグ、そしてアマチュアのサッカー、またはラグビー、アマチュアラグビーで50日程度の利用が可能かなと。その他、芝生の養生を鑑みながらも、50日ぐらいのほかのイベントがフィールド内でも可能かなと。後者の50日はここに記載してないですけど、だいたいわれわれはそれで想定してます。

これは芝生の実証実験においても、われわれはこれまでもノウハウが、いろいろ管理をさせていただいておりますし、いまの練習グラウンドにおいても、東北でも初めての仕事の導入をして実験をしておりますので。そこに関しては問題ないであろうということです。

そして一方では、日本のスタジアムはどうしてもフィールド面だけを注視されがちですけれども、私どもはそこに着目して、この雪国秋田だからこそ365日利用されるスタジアム。それでインナーコンコースですね。コンコース部分に重点を置いたスタジアムにしていきたいと思っております。雨風をしのげるインナーコンコースを設けて、屋外スポーツの皆さんが冬の期間でも屋内でいろいろできるような設計にしていきたいと思ってます。

また冬期間、皆さんもそうかもしれませんが歩く、外に出る。歩数で言うと、だいたい人間は普段であれば、(たとえば)都内なら1万7000から2万歩ぐらい歩く。それが秋田では5000歩になっちゃうと健康被害的なこともあると思います。シルバー世代を含めて健康寿命を延ばすといったことも秋田のひとつの大きな課題なのかなと思っておりますので、その課題を解決できるようなインナーコンコースにしていきたいと。イベントも含めてですね。

あとは防災機能も加味しています。多くの方々、そしてこの地域の社会問題、また災害時の防災といった部分も含めた、地域に開けたスタジアムを実現していきたいと思っております。これがまずひとつ目の大きなポイントです。

事業スキームにおいては、かねてから民設民営という言葉がございますけども、われわれとしてはそこをベースにしながらも、今後イニシャル(コスト)では、たとえばサッカーくじtotoは毎年1000億の売り上げで、それ相応に全国のスタジアム整備のイニシャルに充てられています。

totoを利用させていただくとなれば公設という考えもあるのかなと。民設明節でやったほうがイニシャルの負担が軽減できるのか。それとも公設でやったほうが国の補助金であったりも含めて(イニシャルの負担が軽減できるのか)。そこは民設民営をベースにしながらも検討を続けて参りたいと思っています。

あとはスケジュールに関しては正直、ライセンスが大きなカギになってくるかなと思います。ライセンスの付与・申請といった部分についていろいろリーグからのご指摘、ご助言いただきながら、しっかりと進められるように頑張って参りたいなと思っております。

クラブとしては1年でも早く、この地にスタジアムができあがることで、さまざまな地域課題(の解決)であったり、秋田の魅力(の発信)であったり。われわれはただクラブのことだけを考えてスタジアムをほしいというわけではありません。

われわれクラブの存在意義や価値も、秋田のことを考えて、秋田をもっともっとよくしたいという思いでやらせていただいております。そういった施設が1年でも早くできあがれば、もっともっと明るい秋田になるんじゃないかという思いでやらせていただいているので。それは大前提に知っておいていただければなと思っています。

ここまでが午前中です。いまJリーグクラブライセンス事務局のヒアリングが終わりました。こちらをリーグにも見ていただいて、いろいろお話もありながら、ひとことで言うと非常に厳しい意見をいただいております。

ひとつはこのスケジュール。これまでいろいろ議論をしてきたなかで、そして昨年6月に(ライセンス)申請をした段階の意向表明書をベースに考えたときに「非常に厳しい見方をせざるを得ない」というお言葉をいただきました。

同時にスキームにもご指摘をいただいております。というのも全国各クラブの状況などを踏まえて、また全国のスタジアムを手がけてきた各地域、自治体のこともすべてリーグは把握しています。ましてやクラブ経営をモニタリングする立場でもあります。その観点で、ブラウブリッツ秋田のクラブ経営の規模に対して、いまの民設民営のベースで考えると、クラブが30億円を資金調達するのはいささか、非常に厳しい数字になっているのではないかというご指摘もいただきました。

なのでクラブといたしましては、秋田市さま、秋田県さまとともに、まずはこれ(提案内容)をベースに。きょういろいろご指摘をいただいた内容も含めて、今後協力し合いながら進めていきたいと思っております。

最後に。秋田市さまも、秋田県さまも、われわれクラブもそうですし、こうして多くのメディアの皆さんも注目いただいている。これは県民の皆さまの期待、注目のひとつなのかなと思っています。ただ3者が、県も市も「スタジアムを建てるんだ」と、皆さんから非常に強い意志をいただいた次第です。悲願のスタジアムが、本当にいいものができあがるようひ、われわれもクラブとして努力を続けて参りたいと思っています。

 

●質疑応答

–スケジュールについて。きょうの資料では、これまでの2026年度着工予定が2030年6月になっています。約4年の遅れに対してJリーグから指摘がありましたか。

そこに対しての説明をくださいということで、秋田県、秋田市に対して質問をされていました。

 

–ライセンスに関して心配に思うでしょうか。

最終的にはJリーグが決めるわけではなく、Jリーグクラブライセンス事務局が、外部の審査機関の方々に資料を持ってご説明をする状況ですので。いまJリーグがどうこう言える立場ではないながらも、非常に厳しい見方をせざるを得ないというような、説明が少々苦しくなってくるかなというようなお話はされていました。

 

–知事と市長の会談では、まちづくり計画には同意できないと知事が発言していました。イオンタウンさんも午前中の競技会に出席していたと思いますが、なにか触れたでしょうか。

今回はスタジアムの協議会なので。正直、私の立場でまちづくりを語る立場でもないと思います。そこに関しては別途というような形で、午前中の会議では議論や報告はありませんでした。

 

–あそこ(市場の余剰地)に建てる場合、スケジュールを早める手段がないのでしょうか。

非常にセンシティブな。いろんな関係者がおりますので。秋田市さまが勝手に進められる話でもない。ステークホルダーが多くいらっしゃるので。そこも含めると、いま出せる(スケジュールが)ベストなので。ここからいまお話しいただいたようなスケジュール短縮を鋭意できるのかなというように思います。

 

–30億円の資金調達について。現状でどれだけめどが立っているでしょうか。

(お金を)出す立場からすると、いまの状況で(われわれに)出せますかという話なんですよね。たとえば(あなたが)オイルをたくさんお持ちだとか、多額のお金を持っていたとすれば。

今回こうやって初めて計画を外に示せるわけで、これを持って僕らもある程度(外を)まわれるのかなと。これまでも決してまわってないわけではないですけれども、場所も決まってない、スケジュールも決まっていないものに対してお金を出してくださいっていう営業ができるかというと(難しい)。

 

–Jリーグライセンス事務局の方々は、今回のスケジュールを提示されてどのように対応するのでしょうか。

Jリーグライセンス事務局でこれを持ち帰って、みんなでしっかりシェアして、この後どういった話が来るのかというところです。これに事務局が合意をするわけじゃないので。結局6月のライセンス申請があって、9月末にライセンスの結果が下りる形になります。Jリーグはあくまでも事務局として、間に入って手続きを行っていただくところなので。別途、審査機関に対して説明を行う立場です。

Jリーグがわれわれを落とすとか落とさないとか(ではない)。Jリーグ自体もわれわれをサポートして、J3、J2も含めて、地方に、地域にいいクラブを作ろうという思いでおります。その上で、どういった形であれば審査が通るのかも含めて、今後われわれ、市、県に対してご助言、ご指摘などをいただけるんじゃないかなと思ってます。

 

–スケジュールを早められる可能性について。

そこのやり方の可能性を、いろいろ関係者の方々と調整後、できるかできないのかも含めて検討していく次第かなと思います。

 

–特別会社の構想について。

そこも先ほどの(資金調達の)話と一緒なんですけど、場所が決まって、スケジュールがはっきりとして、ようやくこれで一旦はここで(特別会社の構想)という形なので。ここに記載されている残り3年間で、設立に向けた準備ができると思います。

山形のケースを見ていただけるとわかりますけど、目的会社を作って1回閉じてるんですね。そういったケースもありますので。

われわれのパートナーさんも、皆さんとしっかりいろいろやり取りをさせていただいてます。そういったパートナーさんに、たとえば出資いただいたとするじゃないですか。何千万出資いただいて、一緒になって会社を作りましょうと。そういうパートナーさんみんなで作って、それがもしかしたら、先ほど言ったようにスキーム自体も変わる恐れがあるなかでできるかっていうと、ぼくはその人を裏切れないというか、(お金を)集めたにも関わらずっていう形になりますので。ようやくこれ(計画)ができてから、確実なものとして準備ができるのではないかなと思ってます。

 

–5000人以上でも要件緩和により条件付きで認められるなかで、1万人規模を目指すと書かれています。その理由はJ1を見据えてでしょうか。

それ以上もそれ以下もないです。クラブ経営といった観点でもそうですし、われわれでいうと今シーズン(平均)3500人を超える人数が集まっていただけるのか。J2の平均は6899人ですかね。J1は1万8933人です。そう考えると、最低でも1万人規模がなければ。上を、J1を目指してやることがこの地域に対して、勇気、希望、感動を届けられる要素かなと思っています。1万人収容以上でがんばっていきたいと思います。

 

–資金調達の30億円について厳しい指摘があったとのことだが、民設民営かどうかで変わってくる可能性もあるでしょうか。

ここで私がどうこう言える話ではないですけれども、資料には掲載をさせていただきました。その可能性をゼロにしてしまうと、というのも国自体のあり方、補助金などのメニューも今年出るもの、来年出るものがありますので。そこに柔軟に対応していかなきゃならないところです。

国からの大きな補助があって、地元自治体の負担が軽減できるなかでいいものが作れる。そして継続した運営ができるのが一番いいのかなと思います。そのベストを、いまこのスケジュールで決めるべきことなのかというと、ぼくは決してここで確定させるものでもないのかなと思っています。ただ、さまざまな可能性も含めていろんな準備をしていくことがベストなのかなと。

 

–維持費とか予算をどうやっていくでしょうか。すでに赤字が出ています。

そこの部分も、いま民設民営なのでそういう形になってしまっているかなと。記載のとおり固定資産、そして土地利用料、地代で1億っていう計上がありますよね。それはたとえば公設であれば、固定資産や土地利用の1億は丸々かからない形になります。残り7000万をどう埋めるかの努力にフォーカスできるのかなと思いますので、それを含めて記載しています。

 

–公設の可能性も残していくでしょうか。

そうなると思います。

 

–「午前中の会議で県と市の理解を得た」と言っていいでしょうか。

理解を得るとなると、僕らが「これでいいですか」って言っている状況になるんですけど、これまでもずっとこの資料を一緒になって(県と市と)作ってきてますから。これで最終的な確認をした状況ですね。

2月26日には県議会の産業委員会かな、この資料を持って説明する話もありましたし、3月13日は市議会でも説明をするという話になっていました。

 

–Jリーグからの指摘について。

言いはじめるとけっこういっぱいあったので。大きな部分は資金調達とスケジュールです。

 

–2030年着工を目指して進めていくでしょうか。

ぼくらがそれに対して、こうじゃなきゃだめと言える立場でもないのかなと思ってます。最終的にはリーグが審査機関に対して説明できるかできないか、通せるか通せいないかが一番大きなポイントになると思ってます。

 

–着工期間を含めて約10年かかりますが、それまでのライセンス取得について事務局側からなにかありましたか。

厳しい意見がありました。

 

–入場料金は席が8000円で立ち見が2000円を基本として、将来的な増設も考えているでしょうか。

そこはそうやって記載していますけれども、たとえばいまJリーグの4要件を満たすものであれば、1万であってもJ1を取得できるというものがありますので、われわれはあくまでもJ1を目指したいので、これから資金の部分、建設費も日々高騰しているなかで、どこまでできるのかも含めて決めていきたい。このペースでいきたいなと思っています。

 

–新しい要件について話し合いはありましたか。

そこも話に出ました。4要件ほぼクリアできているものの、アクセスはひとつの懸念点だったかなというところです。

 

–早急に取り組んでいくべき課題について。

僕らはまず今シーズン、しっかりと成果、結果を残していく。われわれは着実に成長しておりますけれども、今シーズン目標に掲げた(平均)3500人の方々に集まっていただく。そしてホームゲームの初戦、2戦目、この2試合で1万人集めて、機運の醸成ではないですけれども、多くの方々にサッカーの楽しさを伝えていく。

なのでスタジアムがどうこうというよりは、ぼくらは愚直に、自分たちのやるべきことをやっていく次第かなと思っています。その上でサッカー、Jリーグという価値を、もっともっと自治体の皆さまにも、そして市民、県民の皆さまにもご理解をいただくのが僕らの役目かなと思ってます。そこに尽きます。

 

–事務局からスタジアムの計画についての感想や評価はあったでしょうか。

昨年県内で豪雨災害があったなかで、間違いなく進展はしていると。以前Jリーグの方に来ていただいて話したことがあったんですけど、そのときから比べると90億という数字が出て、県、市で30億負担することであったり。さまざまな関係者各位のご努力がここにしっかりと記載されているということで、そこに対して評価をいただきました。

 

–協議会について。次のアクションは第8回になるでしょうか。

そこも実は話があって、「これで終わりじゃないですよね」と。このあとも引き続き、しっかり協議を進めていきましょうという合意を得て終了した次第です。

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